彼が書いた文章を集めた文庫です。
いや〜、痛快な文章があちこちに出てきて、
スッキリしました。
私の勤めている会社の人たちが、まさに白洲次郎が批判しているような人の集まりなだけに、痛快感はひとしおでした。
白洲次郎は、東北電力の会長を務めていた時、徹底した現場主義を貫いた。
この点も、観念論に終始し、現場に行かず評論ばかりしている管理職が多数いる当社の有り様に、鉄槌を下すような文章満載だ。
そんな彼を抜擢し、敗戦後の混乱期の日本を民主主義国家として、土台作りをした吉田茂首相。
1950年前後の日本と今の日本。
日本の進歩のなさ、変わらなさ、相変わらずの日本人に、悲しみすら覚えた。
この本の著書である白洲次郎を、知らない人に紹介するとしたら、この本のなかの一説でご紹介したいと思う。
「戦争に負けはしたが、奴隷になったわけではない。言うべきことは言わなければならない」
と、日本を占領していたGHQと、堂々とやり合った日本人がいたことを誇りに思うと同時に、学びにしたい。